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日本を作った夫婦神の、愛と悲しみの物語。イザナギとイザナミの国生み神話

生活
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最強夫婦の、壮大なミッション

この前の「神話のはじまり」の話で、神様たちが“ぼっち”のソロ活動から、男女ペアの時代になったって話をしたよね。
そして、一番最後に登場した最強のパワーカップル…

伊邪那岐神(いざなぎのかみ)伊邪那美神(いざなみのかみ)

この二人の名前、覚えてるかな?

他の神様たちが「やあ、世界。…じゃ!」って感じで次々と姿を隠していく中で、この二人だけには、とてつもなく壮大なミッションが与えられたんだ。

それは…「このどろどろのスープみたいな世界を、ちゃんとした国にしなさい」っていう、天の神様からの、超重要な神勅(しんちょく)だったんだよ。

1. 天の橋から始まった、壮大な国づくり

天の浮橋の上に立つイザナギとイザナミが、宝石で飾られた矛で下界の混沌とした海をかき混ぜている、壮大で美しい絵。天の浮橋で、最初の島を生み出すイザナギとイザナミ。

二人はまず、天と地を結ぶ「天の浮橋(あまのうきはし)」に立つんだ。虹の上みたいな、すごくロマンチックな場所を想像してみて。

そこで、天の神様から授かった「天沼矛(あめのぬぼこ)」っていう、宝石で飾られたキラキラの矛を、下界のどろどろスープに突き刺して、「こーをろ、こーをろ」ってかき混ぜるんだ。

矛を引き上げると、その先端から滴り落ちた塩が積もって、一つの島ができた。
これが、記念すべき最初の島、「オノゴロ島」だよ。

島に降り立った二人は、天の御柱(みはしら)っていう大きな柱を立てて、結婚の儀式をするんだ。
でもね、最初の国生みは、実は失敗しちゃうんだ。

儀式の時、女神のイザナミから先に「なんて素敵な男性なんでしょう」って声をかけちゃったのが原因で、骨のない「ヒルコ」っていう不完全な子が生まれちゃったんだ。

神様の世界でも、プロポーズは男性から、っていうルールがあったみたいだね。

二人はもう一度やり直して、今度はイザナギから声をかける。そして、ここから快進撃が始まるんだ!
淡路島、四国、九州、本州…と、僕たちが住んでいる日本の島々を、次々と生み出していくんだよ。

2. 悲劇の始まりは、炎の中から

国生みが終わると、今度は「神生み」。
海の神様、風の神様、山の神様…と、世界を彩るたくさんの神様たちを産んで、二人の家庭はすごく賑やかになっていくんだ。

でもね、そんな幸せな日々に、突然、終わりがやってくる。
悲劇は、火の神「カグツチ」を産んだ時に起こったんだ。

炎の神様を産んだことで、女神イザナミは体にひどい火傷を負って、病に伏してしまう。そして…苦しみながら、ついに亡くなってしまうんだ。

最愛の妻を失ったイザナギの悲しみは、とてつもなく深かった。
彼は、妻を死なせた原因である息子のカグツチを、持っていた十束の剣(とつかのつるぎ)で斬り殺してしまうんだ。悲しみが怒りに変わってしまったんだね…。

3. 「絶対に、見るな」死者の国での、悲しい約束

悲しみに暮れるイザナギが、不気味な霧に包まれた黄泉の国の巨大な岩の扉の前に立っている、暗く荘厳な絵。愛する妻を追い、死者の国へと向かうイザナギ。

でも、イザナギは諦めきれなかった。
「もう一度、イザナミに会いたい。連れ戻したい」

その一心で、彼は死者の国「黄泉の国(よみのくに)」へと向かうんだ。
暗くて、冷たい黄泉の国の御殿の扉越しに、イザナギはイザナミに呼びかける。

「愛しい我が妻よ。君と創った国は、まだ完成していない。どうか、一緒に帰ってきておくれ」

すると、扉の向こうから、弱々しいイザナミの声が聞こえる。
「…もっと早く来てくだされば。私はもう、黄泉の国の食べ物を口にしてしまいました」

一度でも死者の国のものを食べると、もう生き返れない、というルールがあったんだ。
でも、イザナミはこう続ける。

「でも、あなたが恋しくて来てくれたのだから、なんとか黄泉の神様にお願いしてみましょう。…だから、その間、絶対に私の姿を見ないでくださいね

そう言い残して、イザナミは御殿の奥へと消えていった。

4. 愛が憎しみに変わる時

でも、待てど暮らせど、イザナミは戻ってこない。
しびれを切らしたイザナギは、とうとう、妻との約束を破ってしまうんだ。

櫛の歯に火を灯して、御殿の中を覗いてしまった。
そして、彼がそこで見たものは…

変わり果て、腐り果て、体中にウジがわき、雷神たちがゴロゴロと鳴り響いている、恐ろしい姿のイザナミだったんだ。

「よくも私に恥をかかせましたね!」

変わり果てた姿を見られたイザナミは、怒り狂って、黄泉の国の醜い鬼女たちにイザナギを追いかけさせる。

イザナギは必死で逃げながら、髪飾りを投げればブドウが、櫛を投げればタケノコが生えて、鬼女たちの足止めをするんだ。最後は、黄泉の国の境目に生えていた桃の実を投げて、なんとか追っ手を振り払った。

そして、とうとう黄泉の国の出口「黄泉比良坂(よもつひらさか)」までたどり着き、千人がかりでやっと動かせるような巨大な岩で、道を完全に塞いでしまうんだ。

岩を挟んで、夫と妻は、最後の言葉を交わす。

イザナミ:「愛しい夫よ。こんなひどいことをするなら、私はあなたの国の人間を、一日に千人殺してやりましょう」

イザナギ:「愛しい妻よ。君がそう言うなら、私は一日に千五百の産屋を建てよう」

死を司る神になった妻と、生を司る神になった夫。
こうして、二人の愛の物語は、完全に終わりを告げたんだ。

そして、この時から、世界には「死」が生まれ、それでも「生」が上回ることで、命が続いていくようになったんだって。

物語は、次の世代へ

黄泉の国の穢れを払うため、イザナギは川で禊(みそぎ)をするんだ。
その時、彼が顔を洗うと、最後の最後に、奇跡が起こる。

  • 左目を洗うと…太陽の女神「天照大御神(あまてらすおおみかみ)」が誕生!
  • 右目を洗うと…夜の神「月読命(つくよみのみこと)」が誕生!
  • 鼻を洗うと…嵐の神「須佐之男命(すさのおのみこと)」が誕生!

イザナギとイザナミの、壮絶な愛と悲劇の物語から、日本神話で最も輝かしい、次の世代の神々が生まれた瞬間だった。

どうだったかな?
国生みっていうキラキラした話から、黄泉の国でのホラーな展開まで、まるでジェットコースターみたいな物語だったよね。

次はいよいよ、この最後に生まれた三人の神様、特に最強の女神アマテラスと、やんちゃな弟スサノオの、天界を揺るがす大ゲンカの話をしようかな。これもまた、すごい物語だから、楽しみにしててね!

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