仕事が終わって帰宅し、玄関のドアを開ける瞬間。本来なら「ホッとするはずの場所」なのに、頭の中はまだ仕事のトラブルや人間関係のモヤモヤでいっぱい。そんな自分を家の中にそのまま持ち込んでしまい、新婚の夫に対してつい素っ気ない態度をとってしまう……。そんな日々に、私は少しだけ自己嫌悪を感じていました。
「ただいま」の後に、イライラを持ち込んでいませんか?
外で気を張って働いていると、心は無意識に「戦闘モード」のまま家に入ってしまいます。この「オン」と「オフ」の切り替えがうまくいかないと、家庭という安らげるはずの場所が、どこか落ち着かない緊張感のある空間になってしまうのです。
そこで私が取り入れたのが、玄関で「柏手(かしわで)」を一回打つという習慣でした。
玄関は「外」と「内」を分ける大切な境界線
玄関は物理的な出入り口であると同時に、心の「境界線」でもあります。ここでパンッ!と音を鳴らすことは、私にとって「外の顔を脱ぎ捨て、家庭の自分に戻る」ための合図になりました。

柏手を打つ習慣を始めてから、自分の中に驚くほど明確な「変化」を感じるようになりました。
1. 「外の疲れ」を引きずらなくなった
以前は夕食を作っている間も仕事のミスを思い出していましたが、玄関で音を鳴らすことで、意識を「今、ここ」に強制的に戻せるようになりました。音が響くその一瞬に、外でのイライラを置いてくるイメージです。
2. 玄関を綺麗に保つ意識が芽生えた
柏手を打つようになると、不思議と玄関の乱れ(脱ぎっぱなしの靴や埃)が気になるようになります。「良い音を響かせたい」と思うからこそ、ハンディワイパーでサッと掃除をする習慣が自然と身につきました。
3. 夫との空気が柔らかくなった
自分がリセットできていると、帰宅した夫に対しても「お疲れ様」と心から言えるようになります。自分が変わることで、家全体の空気が柔らかくなっていくのを実感しています。
より心地よく過ごすために。玄関から始める整え方
玄関の柏手をより効果的に感じるために、私はいくつかのアイテムも一緒に取り入れています。
例えば、靴箱の上には国産本物の榊を飾り、その横に月花殿ご祈祷済「浄化塩」を供えています。グリーンと白があるだけで、視覚的にも「ここは清浄な場所なんだ」と意識が切り替わります。
また、週末には部屋全体の空気を動かすために「四隅の柏手」も行っています。玄関から入り、各部屋を巡るこの習慣が、今の私を支える大切なルーティンです。
部屋の四隅で柏手を打つ理由。滞った空気を動かし、自分をリセットする静かな習慣

大切なのは「劇的な変化」ではなく「自分をいたわる時間」
玄関での柏手は、決して魔法ではありません。打った瞬間に宝くじが当たったり、仕事の悩みが消えたりすることはないでしょう。けれど、「ここからは私の大切な時間だ」と自分に言い聞かせるその一瞬が、忙しい現代人には何よりの薬になる気がします。
心の境界線をしっかり引くことは、夜の深い休息にも繋がります。私は、寝室の環境を安眠・快眠にこだわった六角脳枕などで整えるのとセットで、この玄関の儀式を大切にしています。
柏手の打ち方に自信がない方は、ぜひこちらの練習方法も参考にしてみてくださいね。
「柏手」を練習して気づいたこと。忙しい日々に小さな区切りをつける、私の心地よい音の鳴らし方
まとめ|明日を気持ちよく迎えるための「玄関の音」
玄関での柏手は、あなたとあなたの家族を守るための「心の鍵」のようなものです。外での疲れや重たい気分を玄関で一度止めて、軽やかな自分にアップデートしてから、大切な人の待つ部屋へ進む。
「なんだか最近、家の中が落ち着かない」と感じているなら、今日帰った時に一回だけ、パンッ!と音を鳴らしてみてください。その響きが、あなたの毎日をもっと優しく、清々しいものに変えてくれるかもしれません。