写経した用紙の処分方法と納経のマナー｜自宅で捨ててもいいの？

書き終えた用紙、どうしていますか？

心を落ち着かせるために始めた写経。無心になって筆を走らせるのは良いものの、書き終えた用紙が手元に溜まってしまい、「これをどうすればいいのだろう」と悩む方は少なくありません。

ただの紙とはいえ、お経が書かれたものをゴミ箱に捨てるのは気が引けるし、かといってずっと保管しておく場所もない。そんな葛藤を抱えたまま、引き出しの奥にしまい込んでいる方もいるのではないでしょうか。

この記事では、写経した用紙の正しい納め方（納経）と、自宅で処分する場合のマナーについて整理します。大切なのは、書いた後の「紙」そのものよりも、書くことによって整えられたあなたの「心」です。

「手放す」までが写経の修行

写経は、書き上げること自体に功徳があるとされますが、その後の扱い方に過度に執着する必要はありません。

本来はお寺に納めるのが正式な形ですが、現代の住宅事情やライフスタイルにおいて、すべての用紙を保管し続けるのは困難です。「粗末に扱わない」という敬意さえあれば、形にこだわりすぎて心を重くする必要はないのです。

書き終えた用紙を手放すことは、自分の中にある執着やこだわりを手放すことにも通じます。感謝の気持ちを持って、適切な方法で送り出してあげましょう。

処分方法を選ぶための視点

最も丁寧なのは、写経を受け付けているお寺に納めることです。「納経料」として1巻につき数百円〜千円程度を納めるのが一般的ですが、お焚き上げ供養としてまとめて受け付けてくれる場合もあります。

具体的な3つの手放し方

状況に合わせて、無理のない方法を選んでください。

1. お寺に「納経」する

菩提寺（先祖代々のお墓があるお寺）があれば、そちらに相談するのが一番です。特定の宗派がない場合は、郵送で写経を受け付けている有名寺院（薬師寺や高野山など）を利用するのも良いでしょう。ウェブサイトで「納経 郵送」と検索すると、多くの寺院が対応していることがわかります。

2. どんど焼きやお焚き上げを利用する

小正月に行われる「どんど焼き」や、神社やお寺の「古札納所」にお焚き上げとして出す方法もあります。ただし、神社によってはお経（仏教）のものを受け付けていない場合もあるため、事前に確認するか、お寺のお焚き上げを選ぶのが無難です。

3. 自宅で処分する

これ以上保管できず、お寺に行くのも難しい場合は、自宅で処分しても問題ありません。そのままゴミ箱に捨てるのではなく、以下の手順を踏むことで、罪悪感なく手放すことができます。

• 白い紙（半紙や新聞紙など）に包む
• 塩を少し振って清める
• 「ありがとうございました」と感謝を念じる
• 燃えるゴミとして出す（または庭で焼却する）

物を清めて手放す行為は、部屋の空気を整えることにも繋がります。寝室などの環境整備と合わせて行うと、家全体の気が巡ります。

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「清める」という意識を持つ

自宅で処分する場合、やはり「塩」の存在が心の支えになります。ただのゴミとして出すのではなく、最後に清めるという儀式を挟むことで、それは「廃棄」ではなく「昇華」になります。

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まとめ

写経した用紙を処分することは、決して罰当たりなことではありません。

書き上げた瞬間に、その功徳はすでにあなたの中に蓄積されています。溜まった用紙を見るたびに気が重くなるくらいなら、感謝を込めて手放し、また新しい紙に新しい気持ちで向かう方が、本来の写経の目的に適っていると言えるでしょう。