夜間の自動車運転にはヘッドライトは必需品です。
前方が明るく見えれば、それだけ事故を引き起こす確立が下がるといっても過言ではありません。
以前は車のヘッドライトといえば、ハロゲンランプが主体でしたが、いまでは、HID、LEDが当たり前になってきています。
HIDの仕組みを知ってメリット、そして気になる不具合をまとめていきます。
HIDの仕組みとは?
HIDランプ (エイチ・アイ・ディ・ランプ)は、ディスチャージランプなどとも呼ばれ、金属原子高圧蒸気中のアーク放電による光源で、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、高圧ナトリウムランプの総称であり、高輝度放電ランプ (こうきどほうでんランプ)とも言います。

難しくてチンプンカンプンです(苦笑)
電極間の放電を利用しているためフィラメントがなく、白熱電球と比べて長寿命で高効率です。
HIDと同じ仕組みのランプでは蛍光灯や、体育館、大規模な商業施設や競技場、ゴルフ場の照明などがあります。
自動車業界ではHIDの事を「HID」以外に、「ディスチャージランプ」や「キセノンランプ」、「バイキセノン」などとも呼んでいます。
ハロゲンランプとの大きな違いは、やはり光の生み出し方になります。
ハロゲンランプの場合はフィラメントに通電しこれを白熱させた光になり、フィラメントが消耗劣化により切れることで点灯しなくなります。
それに対しHIDはフィラメントがなく電極間のアーク放電なので、フィラメント切れを起こす事はありません。
HID発光の仕組みは、車体バッテリーから流れてくる12V(24V車の場合は24V)の直流電流を「バラスト」という安定器で交流に変換し、イグナイターという点火装置で数万Vに昇圧させます。
その電力をバルブのガラス管の球体内部で放電させ科学反応させたものが光源になります。
ハロゲンランプよりは、明るいくて寿命が長いメリットがあります。
明るさに注目すると、HIDにする上で一番気になるところが「ライトの色」と「明るさ」でしょう。
HIDキットを見ているとよく 6000k や 12000k と目にしますが、
数字やkをどう解釈したらいいんだ?と悩むかもしれません。
この「k」は、「ケルビン」と呼び、色温度の事を指します。
数値が低い方が赤味があり、高くなれば青味が増します。
そして青味が強くなるほど、光量は落ちていきます。
一般的に明るいとされるケルビン数は「4000~8000」の間となります。
ケルビン数は車検に大きく影響し、車検の規定では6000kまでと決まってます。
ケルビンは、色(色温度)
ルーメンは、明るさ(光束)
カンデラは、光の強さ(光度)
ハロゲンランプはバッテリーからダイレクトにつないで光を出すことは可能ですが、HIDはバッテリーと直接つないでも光を出すことは出来ません。
HIDとバッテリーの間に、バラストといわれる設備が必要です。
バラストとは車輌のDC(直流)をAC(交流)に変換し、またデジタルチップで電圧をコントロールし、対になるイグナイター(点火装置)で車輌電圧12Vを2万ボルトを超えるほどに昇圧し、バルブのガラス管内に放電するHIDの心臓部、光を生みだす原動力になるパーツです。
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バラストには主に、35Wと55Wの2種類のワット数があります。
純正HID仕様車のバラストと同じ定格の35Wが一般的で主流です。
より明るさが欲しい場合はハイワッテージの55Wがあります。
ですが55Wは35Wに比べ、消費電力が高い分、バッテリーへの負担も大きくなります。
また、光が強い分熱量も上がるため、フォグに多い純正のバルブ定格が低いライトユニットだと、熱の影響や車輌配線の仕様により容量不足の症状が出る場合もあります。
35W=暗いというイメージを持たれている方が多いのですがそんな事はありません。
※HIDの35Wはハロゲンの55Wより3~5倍ほど明るいのです。
HIDのメリットとは?
LEDもそうであるように、HIDはクルマのフロントの造形にも影響を与えていますよね。
従来のハロゲンランプだと、発熱により変形のリスクある「樹脂レンズ」を使用する事が出来ませんでした。
しかしHIDの採用により、樹脂レンズによる造形が可能になった事から、デザインの自由度、あるいはフロントの軽量化にも寄与しています。
自動車のヘッドライトにLEDの最近では見られるようになりましたが、HIDのほうが冷気氏が若干長いせいもあってか、明るさだけを見ていくと、HIDに軍配が上がります。
HID>LED>ハロゲンランプ
明るさを求めるのであれば、HIDの選択もありでしょう。
一方で、LEDと比較すると、明るさはHIDに軍配が上がるとして、LEDはヘッドライトスイッチを入れた直後の立ち上がりが早いというメリットがあるので、どちらがあなたにとって重要なのかで選択肢が変わってくるでしょう。
HIDの不具合は?
HIDはメリットにもあるように、発熱が極めて少ないんです。
なので、雪国でHIDを使われる場合には、ヘッドライトに雪が積もっても、雪が熱で溶けることがないので、次第にヘッドライトに積もった雪で光量が低下したような状態になってしまいます。
予防策としては、フォグランプを通常のハロゲンランプ仕様でつけてあげることですね。そうすればHIDで雪が積もることで光量低下しても、フォグランプで補えることになります。
これは、不具合ではなく、デメリットと言えますね。
HIDの不具合は、ハロゲンランプと同様HIDが点かないと言う状況がいずれは起きます。
HID切れのときに、ランプが悪いのか、バラスとが悪いのかと調査する手間が1つ余計にかかります。
ランプ切れのときもあれば、バラスとが悪いとき、もしかしたら両方ってこともありえます。
すると、修理にかかる費用もランプだけとは行かないので修理費用がかさむ結果になります。
もしかしたら新品でHIDキットを購入することも視野に入れる必要が出てきますね。
HIDはハロゲンランプと違った仕組みなっているので、ハロゲンランプは点くか点かないかの2択しかないけれど、HIDは点滅と言った意味不明な状況になることがあります。
そう、前方の自動車や対向車からしたら、まるでパッシングしたような感じに見えるかもしれません。
これはHIDの仕組みの問題なのでどうしようもないですけどね。
LEDの場合にも点滅はあるので致し方ないかと。
HIDのまとめ
HIDヘッドライトは、明るさの上ではとてもメリットがあります。
一方で故障時には手間もかかるし新規にHIDを購入しようとすればハロゲンランプより高価になります。
でも、ハロゲンランプよりHIDは長持ちするし、夜間の明るさ確保と言う意味ではメリットのほうが勝っています。