【解決】神棚の前で寝るのはOK？ 寝室での正しい祀り方とレイアウト、タブーを徹底解説

神棚とは？家庭の神社としての役割と重要性

神棚は、単なる飾りではありません。神社からいただいたお神札（おふだ）を通して、神様をお祀りするための「家庭内の小さな神社」です。私たちは神棚を通して、日々の暮らしを見守ってくださる神様に感謝を伝え、家族の安全や健康、商売繁盛などを祈願します。神様をお迎えする神聖な場所だからこそ、私たちは敬意を払い、清浄に保つ必要があるのです。

※この記事でご紹介する作法や考え方は、一般的な神道の教えや神社庁の見解を参考にしたものです。

【結論】神棚は寝室に置いても良い！ただし注意が必要

結論から言うと、神棚を寝室に置くこと自体は、一概に間違いではありません。 最も大切なのは、神様を敬う気持ちです。住宅事情により、静かで清浄な場所が寝室にしか確保できない場合もあるでしょう。ただし、神様に対して失礼のないよう、設置場所や日々の振る舞いにはいくつかの注意点を守る必要があります。

神棚の前で寝る際の理想的なレイアウトと3つのポイント

寝室に神棚を設置する場合、神様への敬意を示すために、以下の3つのポイントを必ず守りましょう。

• ポイント1：神棚に足を向けない配置
  これは最も重要な注意点です。就寝中に神棚へ足を向けることは、神様に対して大変失礼にあたります。ベッドや布団の位置を工夫し、必ず頭が神棚の方向に向くように、あるいは最低でも体の側面が向くようにレイアウトしましょう。
• ポイント2：神棚を見下ろさない高さの確保
  神棚は、私たちが立った時の目線よりも高い位置に設置するのが基本です。これは、神様を見下ろすことのないようにするためです。寝室に置く場合も、ベッドや布団から起き上がった際に、見上げる位置になるよう高さを調整してください。
• ポイント3：清潔で静かな場所を選ぶ
  寝室の中でも、クローゼットの上や人の出入りが激しいドアの周辺は避け、落ち着いてお参りできる壁面などを選びましょう。また、常に清潔を心がけ、ホコリなどが溜まらないようにこまめに掃除をすることが大切です。

神棚と寝室のタブー！これだけは避けたい配置と行動（理由も解説）

神聖な場所である神棚には、古くから伝えられるタブーが存在します。知らずに失礼なことをしてしまわないよう、事前に確認しておきましょう。

• • NG例1：神棚の真上を人が歩く
    マンションなどで、神棚を設置した部屋の真上が居住スペースになっている場合、神様の上を人が歩くことになり失礼にあたります。これを避けるため、天井に「雲」や「天」と書いた紙や木彫りの文字を貼ることで、「この上には何もありません」という敬意を示します。

• NG例2：不浄な場所の近くや向かい合わせ
  トイレや浴室、洗面所など、不浄な場所とされる水回りの近くや、それらのドアと向かい合わせになる場所は必ず避けてください。
• NG例3：プライベートすぎる空間での無頓着な振る舞い
  寝室はプライベートな空間ですが、神棚がある以上、神様が常に見守っているという意識を持つことが大切です。例えば、神棚のすぐ前で着替えたり、だらしない格好で過ごしたりするのは控えましょう。

神棚に関するタブーは他にも様々あります。より詳しい内容や、タブーを犯すとどうなるのかについては、こちらの記事もぜひ参考にしてください。
神棚タブーは神棚の前で寝ることなのかな？！神棚タブーで最悪な事は何かな？

寝室以外も要注意！家の中で神棚を置いてはいけない場所

• 玄関やドアの上：人の出入りが激しく、落ち着かない場所のため。
• 階段の下：人が上を歩くことになり、神様を踏みつける形になるため。
• 北向き：太陽の光が当たりにくく、陰の気が溜まりやすいとされるため。

神棚まわりのQ&A：下に物を置いてもいい？前で着替えてもいい？

Q. 神棚の下に物を置いてもいいですか？

A. 問題ありません。チェストや棚の上を神棚の設置場所とするケースは多くあります。ただし、神聖な場所の真下ですので、常に整理整頓し、清潔に保つことを心がけてください。

Q. 神棚の前で着替えるのはタブーですか？

A. 絶対的なタブーではありませんが、神様への敬意として、できれば神棚の正面は避け、少しずれた場所で行うなどの配慮があるとより丁寧です。

【寝室以外の選択肢】リビングに神棚を置く場合の方角

もし寝室への設置をためらうのであれば、家族が自然と集まるリビングが最も推奨される場所です。その際に意識したいのが方角です。南向き、または東向きに設置するのが吉とされています。これは、太陽の光が多く差し込む明るい方角へ神棚を向けることで、神様の居心地の良い場所を作るという意味合いがあります。

神棚へのお供えと拝礼の基本作法

神棚を設置したら、日々の感謝を伝えることが大切です。

• • お供え物：基本は「神饌（しんせん）」と呼ばれる、お米・お塩・お水です。毎日新しいものに交換するのが理想です。また、榊（さき）を左右に一対お供えし、枯れないように水を替えます。

• 拝礼の作法：「二拝二拍手一拝」が基本です。以下の手順で丁寧に行いましょう。
  1. 神棚の前に立ち、姿勢を正します。
  2. 深くお辞儀（拝）を2回します。
  3. 胸の高さで両手を合わせ、右手を少し下にずらして2回拍手します。
  4. ずらした右手を元に戻し、心を込めて祈ります。
  5. 最後にもう一度、深くお辞儀（拝）を1回します。

神棚はお札だけでも大丈夫？置き場がない人のためのコンパクトな祀り方

「立派な神棚を置くスペースがない」という方もご安心ください。必ずしも宮形（みやがた）と呼ばれる社殿がなければいけないわけではありません。お神札を立てかけておけるお札立て（おふだたて）や、壁に掛けられる簡易的なタイプもあります。大切なのは形よりも、神様を敬い、お祀りする気持ちです。

最近ではインテリアに馴染むおしゃれなものも多いので、探してみるのも楽しいかもしれませんね。

年に一度は忘れずに。古いお札の納め方と神棚の処分方法

お神札は、基本的には一年ごとに新しいものと交換します。古くなったお神札は、感謝を込めて、いただいた神社かお近くの神社の「古札納所（こさつおさめしょ）」へお納めしましょう。また、神棚本体を処分する際は、お札と同様に神社に相談し、「お焚き上げ」をしてもらうのが一般的です。